精神病院はどうして作られたか

クラウス・デルナー博士は、ドイツの著名な精神医学の泰斗です。2009年精神障害に関する国際会議に参加した際に、ドレスデンの障害者施設のフリッケンハウス社長から紹介され、コンタクトを取りました。ハンブルグのご自宅を訪問し、精神障害に関わる歴史や学説を教えて頂きました。以来4回の訪問を重ね、日本の弟子として師事しています。日本では学べない内容で、毎回刮目しています。

ドイツで何故精神病院ができたか、その歴史的変遷は興味深いものです。博士の講義では産業革命が原因とのことです。イギリスから始まった産業革命は19世紀に入ってドイツを含めた大陸の国々に広がりました。その結果生産性の向上に寄与できるかどうかが人間の価値を図る物差しとなり、精神障害者は生産性の点で価値が低いと見なされました。そのため、生産性に関連の有る場所から無い場所へ移されました。そして、人里離れた場所に建てられたのが精神病院です。それまでは精神障害は哲学の対象でしたが、以後医学の対象となったのです。人間から患者に成ってしまったのです。その後差別と迫害は、何度も繰り返されることに成りました。

播磨守

 

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