月別アーカイブ: 2020年5月

データサイエンスのカリキュラム案内

ベルーフは年間4期のローテーションでカリキュラムが組まれています。緊急事態宣言が解除された6月からは今年度2回目の新学期が始まります。この期ではデータサイエンスのための研修としては統計学が実施されます。研修タイトルは「統計の基礎」で、担当は桜美林大学で経営工学と統計学を担当されていたF名誉教授です。統計学を専門家から直接学べる研修はベルーフ以外にはありません。ベルーフにとっても、データサイエンティストという職種を専門職としてターゲットにするために始めています。データサイエンティストという仕事は、日本では未だ未成熟の分野です。今年の4月に日立製作所が、2021年までに3000人のデータサイエンティストを擁する組織をつくるとの方針が打ち出され話題を呼んでいます。この仕事で必要なのは統計的なデータの分析力とプログラミング力とマーケティング力です。プログラミングは既に今期にpython研修を実施しています。統計の基礎もこれまで実施していますが、6月から新しい受講者のための開講です。統計学は数学をベースとしていますが、独自理論で成り立ち歴史的には比較的新しい分野です。統計学特有の論理や数式に取組み、データ分析の基礎を学びます。データサイエンティストとして能力的なレベルの評価となる資格は未だありませんが、既存の資格では統計検定があります。これまでの実績としては統計2級の資格の合格者が1名おります。企業でのデータサイエンティストとしての採用実績はこれからです。精神障害者就労の分野としては戦略的に有望視できると考えています。播磨守

卒業生13人にヒアリングしました

 世界的大流行が続くCOVID-19は、ベルーフから就職した卒業生の就労環境にも大きな影響を与えました。ベルーフでは、4月半ばより、オンラインによる卒業生の面談を行ってきました。ほとんどの人が在宅勤務になっており感染リスクは下げられていたものの、一面ではサポートする人が近くに居ない状態での就業となっていたため、実態を知りたくて始めた面談でしたが、思いのほか皆自分なりの工夫をしながら業務を続けており、まずは一安心致しました。とはいえ、数名はやや心配な状態(軽い鬱症状や微熱が続く等)になっている人も居り、引き続ききめ細かい支援を続けて行く必要を感じています。
 面談が一段落した後、このヒアリング結果を改めてデータとして纏めてみました。ベルーフの卒業生は専門職で働く人が多いですが、こうした不測の事態において職種による働き方の差が、意図せず明確になったことに気づいたからです。これは今後の障害者雇用を考えて行く際に、障害者側にとっても企業側にとっても重要な視点であると思います。

 ご興味のある方は、以下より閲覧ください。尚無断転載はご遠慮いただき、ご利用の際はご一報頂きますようお願い申し上げます。

ベルーフ卒業生COVID-19影響ヒアリングレポート

コロナウィルスの状況の判断基準について

ベルーフはドイツのロベルトコッホ研究所(略称RKI)の情報をグローバルなCOVID-19状況の判断基準にしていますので、この情報の内容についてお伝えします。RKIのサイトには「コロナウィルス-2019のRKIの日毎状況報告」が毎日0時時点として掲載されます。最初に全体状況で、感染者数/死亡数/死亡比率/回復者数です。次に地域別状況で、16州それぞれの感染者数/10万人毎の増加数・死亡数・死亡率です。これは地域ごとに発生状況が色分けされて全土地図で一覧で図示化されています。次に過去7日間の伝染の地域別推移で、どの地域が進んでいるか、収まっているかが色分けで全土地図で同じく図示されています。次に2020年3月1日から今日までの毎日の感染者数と届け出数と死亡数が、ヒストグラムで示されています。次は感染と死亡の年齢別・男女別の内訳で0歳から100歳以上が年代毎に区切られて示されています。次は感染の毎日の再生産数です。最後にRKIの現時点での危険度合に関する見解が示されています。5月8日時点では「高いhoch」との評価と根拠が示されています。集められたデータの分析を詳細に把握できます。このデータ分析は客観的合理性が比較的高いと私共は判断しています。ドイツと日本という地理的条件の違いはありますが、グローバルな共通性があるだろうという仮説で、時間的な進捗の差異はあるが同じ状況であると考えています。主観的な推測情報が氾濫する、というのがこの2か月の日本での体験なので、今の所RKI情報を選択していく方向です。

ベルーフのコロナ対応への方針です

ベルーフはコロナへの対応を判断するために日本情報とドイツ情報の二つを基にしています。日本は厚労省サイトで、各自治体からの情報を基とされています。ドイツはロベルトコッホ研究所サイト(RKI)からです。情報の収集源は明示されていませんが国家規模で集められていると推察されます。RKIのコロナに対するスローガンは、「手を洗おう、距離を保とう、データを提供しょう」で、データの提供を自衛策として喚起しています。従ってデータ分析によるRKI情報は重要な状況判断の基に成っているようです。2020年5月7日00時では以下のデータがそれぞれ公表されています。

ドイツ/日本 感染者数 166091/15463 死者数 7119/551 死者の比率 4.3%/2.5% 回復者数(概算)13990/不明 再生産数 0.71/不明 

ドイツは現在公共施設・学校・小売業等の活動が始まっています。「我々はメルケルの子供ではない」という表現で政府の慎重姿勢への発言が報じられ、経済活動の開始が既にバイエルン州で始められています。表の数字から判断すると1.0前後で推移していた再生産数の低下が目立った変化です。この変化がドイツ社会の活動開始のバロメータと思われます。国によって状況の違いがあるとの判断も考えられますが、これまでグローバルな観点で、ドイツの状況把握の客観性を参考に判断しているので同じ歩みを私たちも取ります。いつになったら元に戻るだろうか、というよりも世界は変わるのだという認識で新たなシステムの構築に取り組む方針です。目下ベルーフは、リモートでのテレワーク体制で就労支援を行っています。一過性とするか、転換期とするか、未曾有の状況の中で道を作って行こうと利用者職員みんなの知恵を絞って取り組んでいます。日々試行錯誤ですが、今のところ手応えのある充実した毎日という実感が有ります。播磨守