ドレスデンの就労支援

 2009年9月にCEFECのプラハ会議にベルリンから向う途上でドレスデンに降りた。ソーシャルファームを視察する為である。何の伝手も無かったので市役所に行って、紹介の労を頼むと市長の補佐官が事情を聞いてくれ、ドレスデンにソーシャルファームは無いが市が支援している障害者就労の施設があるとcultusを紹介してくれた。そこで巡り会ったのがFrickenhausである。ドイツ人の大男である。会って5分で意気投合した。cultusはAltleubenに有り居住施設、就労訓練宿泊施設、ケータリングそして劇場を持つ福祉事業団体である。教会に隣接した敷地にこれらの施設が散在している。200年前の建物もあるので相当古い時代から続いている事業団体である。劇場事業が特異である。オペラミュージカルの上演を行って仕事と収益源にしており、ヨーロッパでの障害者就労でお目に掛ったのはここだけである。福祉で劇場運営は余りの異化に驚いた。翌年再訪してフンパーディンクのオズの魔法使いの上演を見たが、一流で素晴らしい内容である。劇場事業も視野に入った。居住施設の責任者はFrickenhaus夫人で宿泊の融通を利かせてくれている。翌朝8時から200人分のケータリングの準備を視察している。チーフ以下6名のスタッフが調理を行っており、克明に観察する事が出来た。障害者と非障害者の合同チームである。皆プロの腕前で合理的な仕事振りが驚異的であった。半日いる間に休憩のお茶を共にする仲間に成る事が出来、調理場の母は懇切に段取りを教えてくれたものである。ソーシャルファームでは無いが同等以上の障害者就労である。Frickenhausは東ドイツの頃に西側からやって来てこれらの事業運営を担当して来たとの事である。彼はドイツの障害者就労ならDoerner博士に会った方がいいとして、その場でハンブルクのドクターに電話してアポイントを取ってくれている。このアポイントは値千金で、後々のベルーフの誕生の命運を左右するものと成っている。その後cultusには都合3回の訪問を重ねて旧東側の障害者就労の実態を知る事と成った。 播磨守

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