欧州精神障害者就労事情4

日本とドイツの就労事情を較べて感じるのは、職業認識の違いです。ベルーフを利用したいという相談者の方に、どういう仕事や職種をご希望ですか、と伺うと明確な職種が出てくることは稀です。技術者とか事務職とか、と言うレベルです。従って、取り組みながらいづれ明らかにしましょうとの結論になります。日本には、公的に明確な職業区分が存在していないため、と考えています。ドイツでは約300の職種があり、21区分(2010年時点)に分類されています。区分分類を統括しているのは商工会議所(Industrie und Handelskammer 略称IHK)です。

IHKのホームページ(www.ihk-lehrstellenboerse.de.)には、「あなたにはどんな仕事が向いているのですかWelcher Beruf paast zu dir?」という職業案内があり、人間を対象とした仕事・組織的な仕事・職人的な仕事・・・などの分類があり、分類の選択をすると該当する仕事が紹介されます。どういう仕事で、どんな基礎能力を学ぶか、学ぶ期間はどの位かが、約300の職種について具体的に紹介されています。仕事を選ぶと住んでいる地域のIHKが紹介されそこで手続きを踏むことによって、職業教育が受けらます。多くは3年です。その後IHKの資格認定を受けて職に就くことになります。ですから、どういう仕事をしたいのですか?については明確なのです。これは障害者も非障害者も変りません。障害者向けの職種区分と言うのは無いのです。職業教育のシステムは障害者対象の教育施設システムがあり、IFDという行政支援機関が運営しています。

播磨守

 

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