就労移行支援事業所の成り立ち

京極高宣先生は日本社会事業大学の学長を務め、有識者として厚労省の障害者福祉施策の推進に多大な貢献をされています。就労移行支援事業所は、平成8年施行の障害者自立支援法によって誕生した事業です。この法の成立については、京極先生が座長を担当した有識者会議が大きな役割を果たしています。特に社会福祉法人とハローワークが行っていた障害者就労支援について、一般法人とNPOの参入が加えられ、新たな橋が架けられたのは、日本の障害者就労の促進を大きく前進させるものでした。これを期に民間企業の就労移行事業が活発に行われ、全国550事業所の設立として、今日の隆盛を実現しています。この中で精神障害者の就労は、厚労省発表では約9,000人が増加しています。しかし、現行の制度では、この橋は丸太橋レベルなので、もっと大きいしっかりした橋にするのが課題であるとは、先生の言です。ベルーフも丸太橋のひとつとして出発しましたが、橋幅を広げることに注力しています。ドイツのIFD統合専門サービス機関が目指すモデルです。IFDは2000年の社会法典Ⅸによって設立された行政機関です。障害者と企業の双方を支援し就労の促進を図るシステムで、現在約170の拠点が、ドイツ国内に置かれ網の目の就労ネットワークとして機能しています。このシステムの原則はヨーロッパで1980年代から取組まれているソーシャル・ファームです。

播磨守

 

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